京友禅 伝統工芸士 – 木下敏之氏

木下敏之氏

伝統工芸士

木下敏之氏 雅号:秀硯

RO-KETSU ZOME(Japanese batik) 
Certified Traditional Crafts Artisan
Mr. Toshiyuki Kinosita(Syuken)

秀硯氏のろうけつ染めは、染料を定着させる為に布地を蒸す工程を除き、デザインの考案をはじめ草稿生地に描き染色まで、一貫して全て本人自らが手作業で行っておられます。

蜜蝋をはじめ、木蝋、カルナバ蝋等、それら数種類の蝋を特性に応じて使い分け、蝋の配合は秤などは使わず、自身の経験と感覚だけが頼りです。

秀硯氏が好む技法のひとつに、糸目を使わない蝋の代用に「ダンマル」という材料を使ったものがあります。

蝋と松の樹液から作られる松脂を混ぜ合わせたダンマル液を用いる技法です。

この液で模様を描くと、端が滲んだようになるのが特徴で、模様とその背景の境目は柔らかく儚げで、なんともやさしい美しさがあります。

秀硯氏曰く「ろうけつ染めは、最後に蝋を洗い落とすまで、どんな風に仕上がっているかわからない。そして出来上がったものは、同じように再現はできない。そのワクワク感がたまらんのですよ。」と目を輝かせて語られます。

柔和な人柄が生み出す作品は、植物など自然のモチーフが多く、そしてどれも活き活きと描かれ、それは彼の原風景が映し出されているのかもしれません。

自然の恵みである蝋、継承される伝統の技法と職人の経験から生み出される、唯一無二の作品達はまるで、再現性のない自然との大きな共通点だと云えるのではないでしょうか。

秀硯氏は自然豊かな兵庫県但馬に生まれ、幼少は農業を手伝うかたわら、常にスケッチブックを持ち歩き、自然の移ろう姿を細やかに観察し描き止めることに没頭しました。

高校卒業後、筆を持ち絵を描く仕事がしたいと上洛、昭和40(1965)年友禅染めとの出会いが人生の転機となりました。

時代の変遷とともに、伝統産業に従事する仲間が次々と転職を余儀なくされていく中、職人としての誇りを失うことなく、弛まぬ努力を続けてこられました。

そして、培った技術を後世に継承すべく、若い後継者に惜しみない愛情を注いでおられます。

製作された数々の作品は、まさに秀硯氏の人生の軌跡なのです。

  • 1980年 5月 彩芸展 全日本手描染色工芸連合会賞
  • 1990年 10月 彩芸展 百貨店(大丸)賞
  • 1991年  5月 日本染織作家展 入賞
  • 2008年 10月 彩芸展 京友禅協同組合賞
  • 2009年 10月 彩芸展 経済産業大臣賞
  • 2010年 10月 彩芸展 京都市長賞
  • 2011年 3月 京友禅競技大会 京都府知事賞
  • 2012年 3月 京友禅競技大会 経済産業省情報政策局長賞
  • 2013年 3月 京都手描組合作品展 特別技術優秀賞
  • 2013年 3月 京友禅競技大会 経済産業大臣賞・特別技術優秀賞・高島屋百貨店賞・私の好きな着物賞
  • 2014年  3月 京都手描組合作品展 経済産業省商務情報政策局長賞
  • 2016年 3月 京友禅競技大会 経済産業省商務情報局長賞・技術賞・百貨店賞・私の好きな着物賞
  • 2017年 3月 京手描友禅作品展 京都市産業技術研究所理事長賞
  • 2019年 3月 京手描友禅作品展 伝統的工芸品産業振興協会賞
  • 2021年 3月 京手描友禅作品展 京都手描友禅協同組合優秀技術賞
  • 2022年 3月 京手描友禅作品展 京都府知事賞
  • 2023年 3月 京手描友禅作品展  NHK京都放送局局長賞
木下敏之氏 賞状

長い歴史に育まれた匠の技と心に触れていただけることを願っています。

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